検察側の罪人

良かったです。面白かった。
感想はネタバレありです。

始まり方は好きじゃないです。
演者の名前が真ん中にドーンは、興冷めする。

あと、全体的にシーンとシーンの間がぶつ切りだったり、「ここでその音楽?」というのがあったり、シーンのつなげ方や音楽の使い方下手だなって思いました。


予告の「一線を超える」シーンは後半でした。
中盤辺りまでは最上検事の気持ちも分からなくはないけど暴走し始めてからは、おいおいって感じで、後半はもうクズっぷりが良かったです。
ラストのラストまでクズ。
真っ直ぐな目でものすごい詭弁を吐いていて、いろんな意味でこの後の展開が気になりました。

沖野には辞めずに戦って欲しかったという気持ちがありつつも、辞めた理由がちゃんとあとで生きてくるのでよかった。
吉高さんはシリアスでしっかりものの役がとても似合う女優さんだと思っていて、今回の橘もとてもよかったです。

戦争云々のくだりは、原作がそうなのか、監督の思想でこうなっているのかちょっと分からないですが、この部分要らないなぁって思いました。
丹野が政権の裏側を〜ぐらいでよかったんじゃないかと。
というか、松倉案件と同時に丹野のことも動いているんですが、そこが中盤から本編と噛み合わなくなってたような。
丹野の事件がどういうものなのか、周りの人間関係とかが分かりにくかったです。
伏線張ってたけど結局回収されないままラストシーンに突入。
松倉を弁護するという展開は面白かったけど、あんまりそこには時間割かなかったら「あれ?」って呆気なかった。気がついたら勝訴しているし。


ただ台詞の回し方は面白いし、また観に行きたくなる映画です。
松重さんの役も良かったな。「ポチになります」って台詞が好き。


すっごい良い映画!面白い!って感じじゃないんですが、2時間ちょっとがあっという間ですし、この何とももやもやする展開がお決まりのストーリーや演出ではないところが魅力的です。