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良かったです。
これぞ「映画!」という内容。
新作なのに1回分しか無いのが残念だけど内容的に客が入んないだろうね。
松山ケンイチさんと妻夫木聡さんが主演。
1969〜1970年にかけての学生運動の実話を基にしたお話。

梅山のダメ男っぷりが酷過ぎる。
こういう口だけ思想家もたくさん居たんでしょうね。
居るだけならまだしも、それで罪の無い人が死ぬ。それを無視した論争。

狂った世界の中で、雑誌モデルの子がこぼした「極普通の感想」に心が揺れる沢田。


ラストに沢田が泣くシーンがたまらなく良いです。
このシーンにこの映画の髄がある。

数年ぶりに再開した友人の「生きてりゃそれでいいよな」という何気ない一言に沢田が何を思ったのか。

かけがえの無い命を奪われてしまった自衛隊員、その父親のことか。
梅山に人生を狂わされたが何とか仕事にありついて日々を生きている自分のことか。


派手な演出も、盛りたてる音楽も無いけど、淡々と語りかけてくる映画でした。