おおかみこどもの雨と雪

ネタばれがあります。





まあまあ良かったです。
狼男と人間の間に生まれた子供を育てるという内容をリアルに描いていました。
まず出産するときに頼れる人がいないこと。
病気になったときに人間の病院に行くべきか、獣医に行くべきか。そもそも正体がバレてしまうと大変なのでどっちにもいけない。
定期検査にも連れていけないから虐待疑惑も持たれてしまう。

あと、子供を作る過程で外せないベッドシーンの描写もあったのが良かった。
小さい子供と映画館で見るときは、気になる親もいるかもしれないけど(苦笑)

この映画で最もショッキングだったのは花の夫であるおおかみおとこが死んでしまうシーン。
雨の中、おそらく狩り中に川で溺れてしまったのか。
姿は狼なので市役所の職員と思われる人たちがその死体を黒のごみ袋に入れて回収車に入れて運んでしまうんです。
これが人間だったら、救急車で運ばれるだろうに…。

本当にこのシーンはショックを受けました。


もっとこうしたらよかったのにと思ったのは、ラストの方。
花が雨を探すシーンがちょっと長くてダレた。
雨が狼として山で生きていくことを決めた後のシーンで、雪がそのことを知るシーンがセリフ無しの画でもいいから欲しかった。
学校に迎えに行く花のシーンとか。


内容自体はすごく丁寧に、人の感情や生活を描いていました。

雨を送り出す時の花の悲しみや辛さは、多分親にならなきゃ分からないと思った。
山に探しにいく花を見て「もう諦めればいいのに」と正直思った。でもまだ10歳の雨を手放すなんて普通は出来ないんだろうね。


前半は実写でやろうと思えばできるかもしれないけれど、何ていうか…これはアニメでした表現できないと思った。
コクリコ坂からの時も思ったけれど、人の何気ない、普通の生活を「絵」として見ることで普段気付けないものに気付けるような気がした。