TRICK劇場版 ラストステージ

良かったです。
一番最初の劇場版(糸節村事件)の次に良い映画でした。

この後はネタバレを含んだ感想です。








前作が駄作だったのでもう観に行かないでいいかと思っていました。
でもこれで最後だし…。東山さんも出てるし…。

結果としては、行って正解でした。

これは観て良かった。
ドラマシリーズは後半は見ていなかったけど、それでもストーリーは理解できるし、正に「集大成」な出来。

小ネタは今回もたくさんあって1回じゃ把握できないほど。
でも前作よりはくどくないというか。
むしろ今までの事を懐かしめるような、そういうネタが多かった印象。


セリフの中に「SPECホルダー」が出てきたりw
矢部の前の相方が出てきたり。
極めつけはラストに貞子。もうびっくり。あの貞子の独特の不気味さ。思わず懐かしい!と言ってしまいそうになりました。
最近じゃ3Dになったりキャラ化している貞子ですが、本来はこれだよね、という。


肝心のトリック部分はあまり凝ったものではなくて、霊能力者というものの悲劇だとか奈緒子の家系のこととか、最後のシーンに重きをおいているストーリーかな、と思った。

あと、ドラマが映画化するときにありがちな海外ロケ。
今回もマレーシアでロケをしたそうですが、何故かTRICKだと日本の村でロケやってもマレーシアでロケやってもあまり違和感がないという。
TRICKの元々持っている雰囲気とマレーシアの村のロケが合ったのかな?

村の呪術師の方はてっきり外国人かと思ったら日本人の役者さんだったんですね。さっき気付いた(名前も知っている方だった)。


阿部さんが背の高い人のためか東山さんが小柄に見えました。
しかも花柄&フリルのエプロン姿が何度か出てきて、これがかなり可愛い。
シュッとした役どころが多いイメージがあるので、今回の役は新鮮。とても嵌ってました。

北村一輝さんはゲイの役。なんちゅうことさせてんwと思いつつ。ナイトピープルのバー店長役、ATARUの沢刑事、SPECの刑事、そして今回。
役の振り幅が広い方ですね。


ストーリーは、いつものギャク要素、謎解き部分がちょこっと、そしてシリアス部分、と割とバランス良く。
途中まで楽しんで観れていたのですが、最後にまさかの感動。


奈緒子の生死が定かではなくなってから1年。
上田が科学の分野で受賞し、しかも大金までGET。そこで上田が壇上から科学者たちや取材陣に向かって、我こそはと思う霊能力者はかかってこいと言い放つ。

それは、菜緒子がもし死んでいたとしたら…霊界からの声を受け取るための、1年前奈緒子と約束したことだった。


って、OPにあったことってここに繋がるの?とそこで気づきました。
あとイルカショーでの大脱出のことも。


まあ、その前に南の島で記憶喪失の女性が見つかったという情報が矢部の元にも届いたというシーンがあって、それを全部踏まえた上でのラスト。

結局奈緒子の声を受け取ることができず、まもなく約束の1年が過ぎようという時。
ここで鬼束ちひろの「月光」、スタッフロール、研究室の中を歩く上田。

13年間のTRICKでの奈緒子のシーン。

それらが交錯します。


もう、今までのこととか。上田の奈緒子への想いとか。
考えるとジンとくるものがありました。
というかあの場面で「月光」は反則(褒め言葉)。


そして、「まだ間に合いますか?」と入ってくる一人の女性。
何故か貞子っぽい感じでw

その女性の顔は菜緒子。
しかも上田と一番最初に出会った時の衣装で。

「本物か?」と尋ねる上田に「私は本物です」と答える奈緒子。
そして、一番最初に出会った時のマジックを全く同じように披露する奈緒子。
じっと見つめる上田。
セリフはなく、じっとみつめる瞳がだんだん潤んできて、そして映画は終了。


このラストの解釈、1つ目は奈緒子が上田をおちょくるためにわざとやってる、二つ目は記憶喪失の女性が奈緒子で奈緒子は上田のことを覚えていないが無意識にやっている(「本物です」と答えたのは「本物の霊能力者」という意味で答えてる)、3つ目は全くの別人でただそっくりなだけ。

3つ目は流石に無いだろうと思うんですが。
1つ目だったらハッピーエンド。
でも2つ目でも、奈緒子が生きているんだし、もしかしたら記憶が復活するかもしれないし。決して不幸ではない終わり方じゃないかな。


上田の瞳が潤んでいくアップ。
月光。

この映画を観に行って良かったと思いました。
良い映画っていうのは、映画の入りが良くて、終わり方がきちんとしているものと思ってる。
あともう1回観に行きたいと思うかどうか。
そういう点で、この映画は良かったです。長さも2時間以内で綺麗にまとまってる方だと思う。