黒執事

観てきました。
一言で言えば駄作。でも役者陣は良かったです。

この映画が大好きな方はこの後は読まない方が良いです。




ストーリーがオリジナルって聞いてたけど、正確に言えばオリジナルではない。
原作のお話も2つほど入れて、それをちょっと変えて、尚且つオリジナルストーリーも一つ入れて、あれこれ混ぜこぜにした話。それが黒執事の実写版でした。
最初のナレーションが子供っぽくて、あれは声無しにしてほしかったなぁ。
実写版での新設定は開始数分であまり気にならなかったです。
逆を言えば新設定は無駄。
未来設定なのか異国設定なのか曖昧になっていたので、いっそのことイギリスを舞台にすればよかった。フィクションなんだから。

ファントムファイブ家は、東側(日本?)に来てから幻蜂家を名乗るようになったという設定。
よく考えたなーと思った。これは意外と違和感ない。

元々原作の舞台はイギリスではあるけれども、時代が正確に決まっているわけじゃないし、何故か携帯やテレビもある世界だったので。

だからテルマエロマエのように日本人がローマ人の格好をしていたあの感じで映画作っても悪くなかったと思う。
ファントムファイブ家は日系の血も混じってる設定にして思い切ってイギリスを舞台にしても良かったかもね。
原作でも出てくる人物はイギリス人以外にもインドや中国とアジア系の人も多い。あと市街地のシーンや一般市民が歩くシーンがほとんど無くて、室内シーンがほとんどだったから。無理にオリジナル設定にすることも無かったかな、って。


良かった点。
・剛力さんの清玄(原作ではシエル)が結構良かった。アニメのシエルの声も剛力さんで良いと思うくらい。
・何で男装設定?という疑問への時分なりの解釈は。原作ではシエルが実はシエルでは無くて双子の兄弟になりすましている設定(はっきり書かれていないけど)。その「秘密」を、実写版では「実は女」という「秘密」に置きかえているのかな、と。
あとは、殺されかけた・または狙われていたことを恐れて別人になりすましているのか。そうではなくて単純に、男しか跡を継げないという実写版の設定があったからなのか。
・そもそもアニメで男の子役の声は女性声優さんがやるから、何かね、男装でも気にならなかったね。
・水嶋さんのセバスチャンも同様に。あの髪型も途中から気にならなくなった。
・基本的に剛力さんと水嶋さんの掛け合いは原作の雰囲気通りで良かったです。今回の映画のように大がかりじゃなくていいから連続ドラマで見てみたい。主人公クラスが人殺しまくるからアレかもしれないけど、日テレの土9に合いそうな気がするんだよね。
・ラストの方はマダム・レッドの事件をここに絡めてきたのか、と驚き。
・色々詰め込み過ぎてない。主要キャラクターも必要最低限。
・アクションは良かったです。最初のセバスチャンの戦いは間が悪いけど、リン(原作ではメイリン)の銃戦はとってもよかった(喋り以外)。

もっとこうして欲しかった点。
・音楽が…音楽がくどい。はい、盛り上がりますよー感動してくださいーみたいな音楽の使い方。
・普段の会話でそんな説明の仕方しないでしょうというセリフ。違法な薬作ってる人が「違法の〜」とか喋っちゃってるところで失笑。
・女王からの手紙が「捜査せよ」という直接的指示だったので、原作のように曖昧にして欲しかった。「〜という事件が起こっていて私は心を痛めています」みたいな。
・コメディ色をもう少し強めても良かったのでは。
・全体的に漂うダサさ。近未来の設定なのか分かんないけど、ファントムファイブ家の家系を説明するときにわざわざあの演出いる?紙でいいじゃない。


清玄とセバスチャン、それぞれのなりきり具合も、掛け合いも良かっただけに色々残念な映画でした。
ネットニュースで水嶋さんが感極まって泣いている記事見たけど、というかそれを見たから観に行こうと思ったんですが。
映画観て、納得。


でも、映画の始まりの画、一つ一つのシーンの間の悪さ、構図、終わりの画。全部がダサくて。これもう一回編集し直すか、一部撮り直したらもっと面白くなるのかも。
絵で例えるなら。使ってる道具もキャンパスも最高品で、人物画も静物画も一つ一つの要素は上手なのに、構図がありきたりだったり変なところに瓶が置いてあるとか、そんな感じ。