初めて行ってきました、三軒茶屋
普段、テレビでしか見ない町なので「こういうところかー」と物珍しかったです。
でも観光はしないで近場で食事。

今回の目的はシアタートラムで行われた「観客席」を観ること。
元々は1978年に「演劇実験室・天井桟敷」によって初演されたもの。
今回は「天井桟敷」解散後に作ったJ・A・シーザーの「演劇実験室・万有引力」が「観客席」をやってくれるということでチケットを取って行きました。
このシーザーという方はアニメ「少女革命ウテナ」の曲にも携わっていたのが有名だそうですが、このアニメ薄らしか覚えていない…。


「観客席」という演劇は、文字通り観客参加型の劇なので何をするのかされるのか分からない、ってことは知ってたので、始まる前から緊張して吐き気をもよおしてしまって「大丈夫か私?」となってしまいました。
最近映画館に行っても緊張することが多くなってしまって、閉所がダメなのかな。
今回は人が密集していたし、この劇は暗転して身動き取れないので、そういうのがストレスかかる原因になったのかも。


明日が千秋楽なのでネタバレ感想はそれ以降。


内容はとても面白かったです。
結構笑った。こんな笑えるものだったのかとビックリ。
今の社会とか芸能の話題も取り入れていて観やすい部分と、寺山ワールド(だと思う)セリフがたくさんで、理解するより何となく感じるセリフがあって。

一体、この劇はどこから始まっていたのか。
終わりを決めるのは自分たちなのか。ならばやはり主役は私たち観客?
観客を「演じ続けていること」が正解だったのか。そこから打ち破って、演じる側に行った方が良かったのか。


役者さんの肉体美、ゆったりとした奇妙な動き、凄く見とれました。人間の動きって綺麗だなと思った。

空間演出も素敵だった。舞台では色々な空間があって、それぞれにお話があって動いている。
人の動きを見るのが楽しくて、でも舞台や観客席やあちこちで劇が行われている見るのが追いつかない。
田園に死す」で観たあの雰囲気を生で見れて嬉しかった。音楽も、ダンスも。ああ〜シーザーの曲だ〜ってなった。



観客とは?俳優とは?演劇の本当の主役とは?
問いかけられ、挑発され。
「安全ではない観客席」を緊張しながらも楽しめました。


4200円払って「観客になりにいった」と思うと不思議な感じ。受動的である筈の立場が、すごく能動的になるというか。


観終わった後は世界がちょっと変わったように見えました。
みんな演じてるように見える。自分も含めて。


缶コーヒーのCMにもあるけど、自分の人生は自分が主役なんだからしっかりしなきゃって思った。
何か分からないけど、良い劇だったし。何か分からないけど生きる活力をもう劇でした。
こんなの感じたことない。不思議なものでした。
ただ座って観ただけなのに、運動した後のやりきった感がありました。


ちなみに。観客は老若男女で、女性が多かった印象。
小学生の男の子が居たのが一番の衝撃。アングラだし、子供にはアレな言葉も言ってたけど、まあいいのか…と思ったけど。かなり楽しそうに観ていたので、意外と子供の方が真っ直ぐ観れるのかな。