思い出のマーニー

ネタバレあり。

良かったです。冒険活劇では無いし、割と淡々とした流れだから前半ちょっと飽きますが。
中盤からの畳み掛け。予告で盛大にネタバレされてるアンナとマーニーとのやりとり。ちゃんと本編見て、そこからの流れで「あなたが好き!」のあのシーンはぐっときます。
風にたなびく髪。あふれる涙。
あの場面で友を許そうって思うアンナの感情の揺れ動きの表現が半端ないです。

アンナの、あの面倒くさい性格がすごく自分と似てて感情移入できた。
自分が嫌い。嫌いな部分が分かってるくせに直さない。人嫌いなくせして、少しでも好意を寄せてくれたら嬉しい。絵だって自信ある癖して、下手だとハードル下げて人に褒められるの待ってる。
友達が出来たらできたで、自分だけの友で居て欲しい。誰かと仲良くしてると妬く。
親のことは嫌い。とにかく嫌い。その家から出る勇気も無い癖に。嫌いな親が作ったご飯をたべ、嫌いな親が決めた叔父叔母の所へ行く。

中学生の、あの面倒くさいとこが。もう「あーーー分かる…!分かる!!!」ってなって、自分の姿を見てるようで嫌になる。
某所で、この映画は百合要素があるみたいな意見を見ましたが。
個人的には、あれは百合でも何でもなく女の友情ってあんな感じだと思う。
自分の場合は友達少なかったら、女友達に掛け違ったボタンを直してもらう時ドキッとしたし、何かの拍子で抱きついてきた時はやっぱりドキっとする。慣れてないから。普通のボディタッチが。人と50センチ以上は離れて喋るような毎日だから。
マーニーがくっつく度に頬染めてるアンナの気持ちがよく分かる。


マーニーの正体は途中で分かってくるけど、完全にネタバラシされたシーンでも感動できる。

あと、これ行ったら身もふたもないですが。ジブリ映画はとにかく絵が綺麗で。それは写真のような綺麗さではなく、絵としての綺麗さや生命感があるから、そこが好き。ストーリーがちょっとだめでも絵が良ければいっかって思っちゃう。
日常の細かい動作とか。今回なんてサラダを取り分ける時の仕草。芸が細かい!