ある意味では障害者への見方だとか偏見だとかみんなであーだこーだ意見を交わす2日間になっているので、24時間テレビはイベントとしては成功しているんじゃないかなと思っています。
募金の行き先はぶっちゃけ不透明な部分はあれど、あのお金のおかげで、資金が足りない施設はリフト車などを頂ける(事前に申し込み、抽選が必要)ので役に立っているんじゃないかな。ってことを数年前の学会後の飲み会でそういう話聞いてから24時間テレビに対する見方が少し変わりました。

そもそも「障害者」ってどこからどこまでを言うのか微妙なラインでもあるなと思うこともある。
視力が低下していてメガネやコンタクトを使用している人。
聴覚が低下していて補聴器を使用している人。
足腰が弱って杖やシルバーカーを使用している人。
骨折後で松葉杖を使って歩く人。



今年の24時間テレビは全部見ていないけれどドラマは気になったので途中からですが見ました。
自分の家族の中に中途で全盲になった者がいるのと、視覚障害者の協会の集まりに昔から参加していたのであるある話が多くて興味深かった。
治療院を営む夫婦と弱視役の若林さんはリアルでした。
喋り方とか振る舞いがホントリアル。
目が見えないと相手の表情や距離感が分かっていないから、人によっては結構距離詰めてマシンガントークする人いるんですよね。
あと障害を受容して自立した生活している人は大抵は明るい。

食事のシーンで時計の配置で伝えていたけど、あれで分かる人もいれば、今朝OAしていた家族のように直接手を皿に誘導させて教えるやり方もある。
うちの祖母の場合は時計配置が分かりにくいらしいので、右側に肉があるよ的なざっくりした伝え方をしている。


とてもリアルってほどではなかったけど加藤さんの演技良かったです。
沢尻さん演じる奥さんとの喧嘩のシーンは鳥肌立った。

加藤さんの「目が見えない」演技は、ああいう動き方する人もいますね。視覚障害を持ってる人の動き方ってそれぞれ。慎重に歩く人もいるし、知らないところでもガンガン突っ込む人もいる。気配に敏感な人もいれば、そうでない方もいる。言われないと目が見えないことが分からない人も中にはいます。
点字も、誰でも読めたり打てたりわけではなくて教育を受けていなければ読めないし、長い文章は苦手だし疲れるから家族に音読してもらったりテープを聴く方もいる。

視覚障害を持つ家族と一緒に過ごしていて、特に困ったことはないけど、初めて行くお店でメニューを全て読まないといけないことについてはちょっと面倒だと思うことはありました。


あと、自分はともかくとして自分の母親がどう感じていたのかと振り返ってみると、両親が障害者であっても子供は普通に育つし、世話をしなきゃならない感も持ってない。反抗期もあるし、気に入らないことがあれば喧嘩する。

そして孫の代になって、孫が世話するようになると「偉いね、よく世話をして」と耳にタコができるくらい周りから若干憐れむように見られたけれど、こちらとしては呼吸をすることと、祖母の誘導をすることが当たり前すぎて「何が偉いのか分からないんですけど」と子供心に不思議だった。

そして親が障害をもって苦労していれば子供は良い子に育ったり、将来は医者を目指すのかというと、はたして自分の母親を見るにそんなことは全くないし、母親なんて喧嘩中に祖母に対して「目が見えなくなったのは天罰だ」と衝撃的暴言吐いた御人なので、どんな子供に育つかについては関係ないだろうなって思う。でも今朝の親子の聡樹くんはとても素敵な子で感動した。


ドラマの話に戻って。某実況とかSNSをちらっと見たら、視覚障害者のことについて知らない人が多くてびっくりした。
今回のドラマは全然違うことはそんなんには言ってないと思うんで、このドラマを通して視覚障害のことが知られればいいなと月並みに思いました。

その人にはその人のペースがあって。例えば良かれと思ってデパートのドアを開けてくれる人がいるけど、本人が自分で開けた方が空間の把握がやりやすいこともあるので、援助ってタイミングがとても難しいんですよね。
だから転ばないかな、ぶつからないかな、と遠くで見守って、電車のホームから落ちそうになった時など本当に危険な時は失敗してもいいから助けに行ける準備はしておくようにしたいと思う。