ダニーと紺碧の海。
本日が千秋楽だったようです。
松岡さん、土居ケイトさん、お疲れ様でした。


ここからネタバレです。


お芝居の内容は好みが分かれると思います。セリフ回しについて「ここもう少しいい言葉が無かったかな」と思うところはありました。時々いい言葉はあるんですよ、だから「ああ、ここは平板な言葉か」と勿体無く思うところも。
演出はよかったです。水と光がとても綺麗でした。
開演前からステージ上には蛇口からずっと水が出ている状態でした。偽物ではなくて本当に水が流れているのが新鮮でした。排水口でもあるのか?と思ったらステージ上にある程度溜まる設定になっているらしく、ダニーが水をすくう場面もありましたし、これはどういう仕組みなのか分からず最後まで不思議でした。
水が流れる音がずーっとするんです。
ライトに光ったキラキラして。綺麗でしたし、水の流れる音が心地良い。

夜、朝の場面設定は光。朝の光の差し込み方が綺麗でした。
上部にある透明板みたいなものが鏡みたくなっていてステージ上のものが少し映りこんでいるので、そちらも観劇しました。
客席側からみるステージと、鏡に映りこんだ足とか、色んな方向から見れてよかったです。そしてまたその上部の方で水がゆらゆら揺れているのが綺麗でね。
紺碧の海を表現しているかのように、水の演出が本当に綺麗でした。



あ、あとベッドシーン。松岡さんのキスシーンひっさびさに見たなーと思いました。綺麗で男前なキスでした。


開演、ロバータがまずステージ上のバーのセットに現れます。
ふとロバータが顔を上げて客席の向こう側を見つめ、そんなロバータに光がふわっと当たるんです。
あれ?何かあるのかな?と振り返ったら、客席の出入り口からダニーが登場。
席の関係上、1.5mくらいの近さで松岡さんを見ることができました。
ダニーの荒れ果てたただならぬオーラが覆っていて圧倒されました。
かっこいいとかそう言う言葉で表せないような、存在感でとても印象的でした。


色々あって、ダニーはロバータの家に行って、一夜を共にするんですけど。
そこでの二人の会話がままごとのようで。可愛らしくもあり、でもこれ完全に幸せにはなれそうにないというか、刹那的でしたね。幸せを演じているようで、特にロバータが。
ダニーが知人の結婚式の話をしているシーンがとても心に残っています。
ここでダニーの人柄のようなものが出るんですけど。教会でライスシャワーを浴びる新郎新婦に夢見るダニーは「俺、花嫁になりたい」とロバータに打ち明けます。
ここは、笑っちゃいけないところだけど笑いそうになりました。え、花嫁?そっちなの?嫁を大切にするとかそういうんじゃないんだって。
笑いそうになると同時に、切ないし、やるせない。
ダニーは誰かを大事にして生きていくとかそれよりもまず、自分が誰かに愛されて幸せになることが先なんだろうなと。そうなってから、今度は他人を大切にできるんだろうなと。
ダニーが、過去大変さ、今の苦労を語るよりも「花嫁になりたい」というセリフが一つあることで、ダニーの苦しみや孤独が感じられました。