「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜」

良かったです。
観終わった後で「だからこのタイトルなのか」と思いました。
このタイトルそのものに内容の肝が込められていると思います。
そして料理が食べたくなります(特にフレンチ)。作りたくもなる。今日は夕飯作りながら、この映画のシーンが思い浮かんで、いつもよりも丁寧に作ろうという気になりました。


予告は映画館で10回くらい観ましたが、泣くシーン切ない顔のシーンなどよくある感動煽りの雰囲気と、一度食べた料理の味は忘れないというキーワードに全く興味が沸かないのと、幻のレシピを再現するというキーワードにも・・・。
で、DASHに映画番宣で二宮さんが出演して、その後で二宮さんファンと思われる人による映画の感想をいくつか見てみると、予告の雰囲気とはどうやら違うらしいというのを見て、じゃあ観てみようかなと思って観に行きました。
結果的には予告より良かったです。あ、こういう映画なんだ!って。
挫折した天才料理人(劇中では天才とは言ってないけども)が借金負って、そこにあるところから依頼が・・・ていう予告の方が良かったのでは。かと言って、予告が一番面白い映画がほとんどなので、予告作りって難しいなと勝手ながら感じました。


ざっくり言うとNHKファミリーヒストリーの実写版のような感じ&主人公に対する壮大なドッキリ。

台詞は、ちょっと余計なものが多かったのと、そこは別に表現が無いかなっていうのがいくつか。
そして料理をすくったり、食べる時に、くちゃくちゃという音がちょっと気になる。
あとは冒頭に出てくる移動式キッチン。あれ格好良かったのでもう1回見てみたかった。
暗殺計画を料理人に話しちゃだめだろうとか。するなら直前じゃない?とか。見張り役の軍人の人をあのまま生かしておいて良かったのかとか、殺しを部下に任せず自分でやるんだ、とかいうツッコミがいくつか。

それ以外は良かったです。
結構印象に残ったのが、春巻きを作るシーン。春巻きの皮ってああやって作るんだ!という驚きがありました。


幻のレシピは何処にあるのか。何でそれを一生懸命に探すのか。その理由がしっかりあったので見ていて違和感が無かったし、途中で諦めようとしているのもリアルさがあって。周りを信じなかった男が、周りの愛情を信じて料理に対して向き直したというヒューマンドラマに主人公がツッコミ入れるところですっきりした感もあったし。


そして、これが事実そうだったのか分からないんですが、日中戦争前のあの時代に、ああいうキッチン設備があったのかということ。もしそうなら凄いなぁと思いました。


ラストシーン。料理を再現する佐々木の目の前に山形が現れたかのようなシーン。
幽霊的に表れるんじゃなくて、過去と現在が重なったような演出良かったです。