ラプラスの魔女

つまらないという評判を薄ら聴いたのですが、本当にその通りの映画でした。
勿体無いし、何故こうなった?感が満載の映画です。

出だしはいいんですよ。
屋外で硫化水素使って故意に人を殺すのは難しいだろうという謎。
明らかに怪しげな少女の出現。
癖のある刑事。

これだけ揃って、面白くない展開になるんだから凄い。
原作が悪いのか脚本が悪いのか。
むしろ原作がどんな話なのか気になる、そんな映画です。


「教授」が日本の中でどれだけの権威を持っているのかが不明。
セリフにも出てくるけど教授は本当に何の役にも立たなかった。車の運転以外。

「普通」の人間視点で物語を展開させるならば、刑事視点だけでよかったと思います。
不可思議な事件を追う刑事。もしくは刑事と教授のコンビ。それだと「ガリレオ」になっちゃいますけどね。

手術の結果、特殊能力を手に入れた。まではいいんですが、同じような手術をしてそれが成功するというのがファンタジーに感じられてしまいました。もしくは、具体的に脳のどこを手術したのか説明してくれればまだリアルはありますが、それも無い。

で、結局硫化水素をどこから持ってきて、どうやって殺人に繋げたのか。地形の流れを読んで、それで使ったのならその説明をしたほうがいいと思いました。

甘粕が実は家族を愛してなかったというオチだけ良かったです。
ただ最後のシーンも穴だらけで。あの廃墟に行くと決めたのは健人じゃないの?なのに甘粕がさもそこを選んだかのような流れ。銃もそのまま置いてある。

「予知」ではなく「予測」という能力。ラプラスの悪魔という実在するワード。
そこは良いんだけども、っていうね。殺人という愚かなことを犯しておいて、最後は美談になっている。

これは映画にしてよかったのか?脚本の時点で誰もつっこまなかったのか?不思議です。結局、新しい能力を手に入れてしまった二人少年少女の苦悩が軸になってしまっていて、復讐すらも最後は蚊帳の外。肝心の殺人事件も置いてけぼり。

役者さんの演技ひとつひとつは良いのに、映画自体がとても残念だなと思いました。



この映画観てたとき、最後の方の風のシーンで映画館が停電になってしまいました。演出かと思ったくらいタイミングがばっちりでした。
結局、10分くらい経ってから映画は復旧して続きを見ることができました。