マネーボール

想像以上に良かったです。
あ、以下はネタバレです。

観る前は、弱かったチームが苦労の末にどんどん勝ち上がって、チームメイトの友情も高まっていく、っていうお決まりのストーリーだろ、くらいしか思ってなかった(じゃあ、何で観に行ったんだって話だけど)。
ホントは観る気は無かったんだけど「シューイチ」で少し予告を見て、あるシーンが心に引っ掛かって、それで行ってみました。

金持ちチームVS貧者チームっていう図式が、日本でいう巨人を思い出してね。
それだけでちょっと話に入りやすかった。

すごく才能がありそうな選手だからって、ドラフトで指名するとしたら9番とか、さ。
野球素人の自分でも、分かりやすかった。

アスレチックスのGM・ビリーがピーターと一緒に、データと理論を駆使したチーム作りをしようとしているのに、思っていた以上に他の仲間や監督が受け入れてくれなくて、こっちがイライラするくらい(ここでも既にビリーに感情移入してしまっている)。
じゃあ、説き伏せて行くのか、と思いきや、それも難しいから選手をトレードしてビリーたちが使って欲しいと思う選手を使わざるを得ないところまで持ってくところが、すごいと思った。


チームは、怒涛の快進撃を進めていくのに、お話の雰囲気はそれほど明るくはない。
選手たちは数名クローズアップされるだけで、あくまで経営陣側からみた「野球」。
選手同士の友情のくだりも一切なし。
20連勝してもビリーは冷静にチームを見つめている。
結局、最後の試合を外してしまって優勝こそはしていないけど、その後もチームは勝てるチームになっていく。

お話の最後、ビリーはレッドソックスからの誘いを受けて、悩んだ末にアスレチックスに残ることを決める。
この、レッドソックス側の人間との会話のシーンが凄く好き。

洋画で、スポーツ映画にしては、終始落ち着いた雰囲気で、こんなにもキャストの心の微妙な揺れを表現していて。
特に目の演技が良かった。本当に良い洋画を見れたなと思いました(キスシーンすら無いのは結構珍しいかも)。