だいじょうぶ3組

繊細で良い映画です。
子役は演技経験が無い子が多かったみたいで、それがよかった。
素朴な表情とか、たどたどしいセリフがリアルだった。
実話が元になっているので、子供のちょっと不可解な行動が凄く「ああ〜こういうことするわー」と思った。

お話を大きく分けると
・先生と子供たちとの出会い。白石と赤尾は1年契約。
・上履き紛失騒ぎ
・運動会を通してクラスが一つになる
・遠足を通して、子供たちの自主性が高まる
・文子の不登校
・障害について考える
・文子の告白、上履きを盗んだ犯人が判明
・1年が過ぎ、年度が変わる。白石と赤尾は学校を去る。

大体こんな感じかな。
文子が教室で自分の想いを吐き出す場面では「ああ!上履きのあれって、ああそういうことだったの」と、上履きのことを思い出した。


太一さんの演技は良かったです。
何だろう。普通なんですけどね。普通だからこそ、すっと役に入れる人なのか。
あと、体が小さいので、度々見失ったw子供たちに紛れてて。

ダウン症の姉を持っている女の子が、姉のことが凄く好きなのに、世間に笑われた時に嫌な気持ちになってしまったという告白。あのダウン症の子って役者さんなのかな。
ここが一番ぐっと来ました。
子供たちが自分の短所と長所を発表していくシーンが、一番笑いと泣き声が客席から出てました。
この映画は子供に観て欲しいけれど、間延びするところがあったり、緩急が薄いので飽きちゃうんだよね。
感動の押し付けをしないという点ではあざとく無くて良いんだけど。
なので、子育て中の親に観て欲しいなと思った映画だった。
あと、隣に座ってた小学生低学年の男の子は、途中飽きながらも何とか見ていました。予告で流れてた「奇跡のリンゴ」を観たいってお母さんに言ってたっけ。
一番反応してたのは乙武さんが食事したり、椅子から降りたり、サッカーしたり、文字を書いたり、というシーン。
「はっ」って言ってたのが可愛かった。
多分、普段の生活では障害を持っている人と接することはないから、映画を観て色々感じてくれたらいいなと思った。


みんな違ってみんないい。

それは逃げの言葉ではなくて、他人の苦手なことを理解して、自分の良いところを認めてあげる言葉だなと思った。

ここから「ここもっとこうしたらいいのに」と思ったポイント。

白石は教師を一回挫折しているけれど、そのシーンをもう少し描いた方が、白石の行動にもっと深みが出たと思う。
赤尾も、四肢欠損状態で生きてきて教師になった過程がごっそり抜けていた。そりゃあ有名な人だから今さら説明しなくてもいいんだけど、苦労してきたこととか、少しは描いてもよかったんじゃないかな。

子供たちが自転車で帰宅するシーン。あれ、あのシーンいる?

基本的に役者陣が落ち着いた感じだったので、一組の先生はもう少し有名な人であってもよかったんじゃないかな。


最後に。映画のラストで流れるTOKIOの「手紙」。
凄く良かった。映画の余韻を壊さず、より盛り上げてくれてました。「手紙」も含めての映画になってたと思う。