アイアム ア ヒーロー

漫画原作の映画。原作は読んでいないです。
NHKの番組で作者に浦沢さんが密着している映像は見たことがあります。
映画の内容ですが、良かったです。面白かった。
グロ系の映画は最近は見るのがだめになっていましたが、これは大丈夫でした。

この映画の監督は三池監督だと何故か思い違いをしていましたが佐藤監督という方なんですね。図書館戦争とかGANTZを撮った方。



ZQNと呼ばれるゾンビと、そこから逃げるお話。

最初の方の振りが後できちんと効いてきていてそういうところ好きです。
ロレックスとか、英雄という名前とか、妄想(想像?)癖とか。

ZQNの被害が徐々に広がっていくところ。ぞくぞくしました。しかも真昼間っていうのがいい。
一歩外に出ればいつもの日常生活というギャップ。
人々が異常事態にあまり気づいていない段階ではZQNが外に居ても普通に歩いている人がいたり、スマホで写真を撮ろうとしている人もいる。この辺りがリアリティあると思いました。


テレ東をモチーフにしたテレビ局が出てくるんですが、セリフの中で「ここがニュースやってなければ大丈夫」と主人公たちが安心する場面があってそこがくすっと笑えました。
そしてここ数年では当たり前のようになった2chをモチーフにしたような掲示板の映像。
その入れ方が自然でよかった。


主人公補正なのか、ラストまでほぼ無傷なんですけど途中からはそれはどうでもよくて、なんとか生き延びてほしいと感情移入できる映画でした。

ゾンビものはあまり見ないから分からないんですけど、この間チラっと見たがっこうぐらしもそうでしたが「ゾンビは生前の記憶で生きている」というのは一般的な設定なんでしょうかね。
生前の一番記憶に残っている、または一番強く残った感情で行動しているZQNが怖くもあり愛らしくもあったです。


ロッカーから出ようか出まいか葛藤するシーンもリアルだなって思った。
ああいう想像するする、って。
普通の人間がZQNに立ち向かうという時の感情を丁寧に描いていたと思います。


パニック映画みたいなものなんだけど、きちんと人間同士の物語とか、感情の揺れ動きを描いているので、グロさが強調されていても全体的に見やすい内容でした。


猟銃のシーンは格好よかった。あの銃の説明の仕方もよかったです。持ち主ではなくて別の人間が語ることで説明臭さもないし、かといって説明がないと威力がどういうものかよくわからないし。
あの流れだからこそ、主人公が銃を使用する覚悟と、技術力が説得力あって描かれていて感動しました。

ラストの総力戦。
大量のZQNをどうやって倒すのかと思ったら、まさかの地道に一人ずつというのがまたよかった。
この撃つシーン、ひたすらやるの?って思ってたら本当にひたすら。
間延びしそうなシーンだけど、でも絶望的な状況だとか大変な戦闘であることを伝えるためにはあれしかないんだろうなって。最後の一人になるまでに一旦撃ち終えたときは「あー・・・やっと終わった・・・」って自分がやったわけでもないのに疲労感があって、そういうところもよかったです。