こんなに嵌った大河ドラマは久しぶり。
秀吉を命懸けで諌める石田三成の姿が素敵でした。
本当に命懸けで、死ぬかもしれないのに町の民のために、殿下のために訴える姿が良かった。
小日向さんも山本さんも、鬼気迫る演技がすごくて。素敵とか格好いいとか、そういう言葉では足りないくらい。
光と影の当て方の演出も良いし。
落首の犯人について三成が「民が書いたのだ」がぐっときました。誰とはなく、民の多くが思っていて書いたのだろうと。
おそらく当時の人で文字を書くことができたり歌を知っている人は全員ではないだろうから、百姓ではなく商人だとかある程度知識がある人たちが書いたのかもしれない。

茶々や寧々の女たちの凄みも良かった。三成の妻のうたも。多くは語らず、でも夫のことを分かっていて「ずっと酒を飲んでいる」「飲んでも全く酔えない」と三成の状況を淡々と伝えて、自分の憶測は言わずに三成の気持ちを代弁する姿が素敵でした。
人がたくさん死んでいるのに笑顔で冗談を言う茶々。
秀吉のことを理解しきっている寧々。
秀吉は、息子ができてから正気を失っていったと思っていたけど、今回の寧々の発言では昔から冷たくて怖い人、信長公よりも怖いということを言っていてハッとしました。
ドラマや映画の描き方に流されているけど、改めて歴史を読み直すと違う見方があるかもしれない。


落首事件の沙汰は、結局町が焼き払われ総勢50人以上の人が殺されたらしいですが、耳そぎ・鼻削ぎの拷問は避けられたとか。
ドラマでは事件について秀吉は何も言わずに終わっているので、あれで一件落着かのようにも見えるけどそうでもないとも見える。史実と違うことは言っていない。という演出がうまいと思いました。(まあ敢えて濁さないでもいいとは思うけど)