「殿、利息でござる」

面白かったです。
予告をじっくり見なかったのが良かったかもしれにあ。思っていたよりも笑いが多かったです。
ナレーションが濱田岳さんという、何とも贅沢な使い方。
お金のことをわかりやすく伝えるために説明が多かったですが、それを含めて面白かったです。
貧しい村の人たちが何年にも渡って(実際はもっとだけど)お金を集めて殿様に貸してその利息で村の負担を減らそうと画策する話。
この利息分が決して村人の懐に全て入るわけではなく、あくまで村に使うお金だから儲け話ではないということ。
しかも殿様に貸すためのお金を出した後に、そのお金が戻ってくるわけではない。
皆のために、子孫のために身を削るという考え方に感動しました。

役者さんの表情もよかったな。
百姓たちは表情がコロコロ変わるんですが、高貴の人になればほど表情の変化が少なく固い表情が多くて、それでもちょっとした仕草で表情の変化を表しているんです。そこが良かった。

計画の言いだしっぺだった主人公が、最初はあまり乗り気ではなかったけれど後半はみんなを引っ張る立場にいて。その感情の移り変わりも丁寧に書かれていてよかった。


現在までお店が残っているのもすごい。


合戦があるわけでもなく、ひたすらお金を集め貯めてお上に嘆願しにいくというお話なんですが全く飽きずに観れました。
良い映画です。


映画は始まり方と終わり方が肝心だと思っているけど、もう秀逸でした。
温かい気持ちになれるお話です。