祈りの幕が下りる時

良い映画でした。
感想はネタバレありです。

ざっくり言うと「現代版 砂の器(野村監督)」でした。そこに白夜行が混じっているような。
最初のストーリー説明のテロップとその字体、刑事二人での聞き込みと海のシーン。
その後も、被害者が殺された原因が謎ということ、被害者は突然の東京行きを決めたこと、宿命という言葉、そして逃避行する親子の絆、抱き合うシーン。

そういったものが砂の器を彷彿とさせました。

テロップの所については、監督はドラマ版の砂の器を撮ってた方らしいので、その関係もあってあの演出になったんですかね。

パクリとオマージュの明確な境はわかりませんが、肌で感じたものとしてはこれはオマージュだと思いました。

能登の崖のシーンはゼロの焦点みたいな感じでした。


謎を解いていく様子が、主人公だけではなくて他の刑事の活躍もあってトリッキーな方法ではなく少しずつ少しずつ真相に近づいていくのが良かったです。
新参者シリーズは見たことがなくて、この映画の前作の「麒麟の翼」を観ていたのでそれで十分ストーリーも人間関係も把握出来ました。


台詞として、喋りすぎている場面はありましたが、役者さんの演技でねじ伏せてるような。そんな感じでした。松嶋菜々子さんがとにかく美しい。
哀しみをたたえた女性の姿。静止状態で、目もほとんど動かしていないのにそれが表現として伝わってくるんです。それが凄かった。


もう一度観に行きたいと思います。