映画「鳩のごとく蛇のごとく 斜陽」

映画「鳩のごとく蛇のごとく 斜陽」を観てきました。

 

ネタバレ感想です。

 

 

ああ~~~~悪くはないがすごく良くもないけど斜陽を映画化するならこうなるのか?こうならざるを得ないのか?と自問自答しながら観ていました。

 

原作は太宰治の「斜陽」。

ものすごくページ数が少ないので、さらっと読める小説です。

元ネタは太宰の愛人が書いた日記で、斜陽に出てくるかず子と母親とのエピソードはほぼほぼその日記からの抜粋。

って今からでは考えられない小説の作成方法ですが。

それはまあ置いといて。

 

出演者は全員よかったです。

かず子の真っ直ぐで盲目的に上原を愛する様子もよかったし、世間知らずな貴族な感じもよかったし。不良ぶるけど不良にも貴族にも成れずに悩み苦しむ直治も、最後まで貴婦人だった母親も。

上原は若干かっこよすぎますがくたびれた感じも女を魅力する感じもよかった。

 

時代設定のせいもありますが、台詞回しが小劇場っぽいなと思いました。

そこで立ってセリフ言う必要ある?とか。

 

あと、後半は小説の斜陽ではなく、太宰治と山崎富栄とのエピソードが入り混じってたり、小説と現実が混在していました。グッドバイもそうだけど。

原作では子供を授かったところで終わっていましたが映画では出産後のことも描かれており、直治の自殺も大分あとで、上原の死も原作にはない事で。

直治の自殺のシーンは原作の方が好きですが、死ぬ理由としては上原が死んだからそれが最後のキッカケっていうのは映画の方が説得力があったかもしれません。

 

かず子と母親とのエピソードが少なかったりとか、上原とのエピソードが若干唐突だったりとか、あと1時間くらいないとなーって思った映画です。

原作はあんなにちょっとしかないのに、映画化するとなると描くエピソードがすごくたくさんあるなと思います。