ゼロの焦点

まあまあかな。
犯人は大体見当はつくけれど、動機や被害者の過去・行動が不明なので、それが徐々に解き明かされるところがドキドキします。

何が「まあまあ」だったのかというと、木村多江さんの出番がもっと欲しかったなぁっていうのが。
でもちょっとしか出ていなくても存在感あったけど。

この間「砂の器」を観たばかりっていうのもいけなかったのかも。
どうしたって薄っぺらさが………
だけどストーリーはしっかりしているんで楽しめます。

単なる愛憎劇では無くて、その中には戦争が生んだ悲劇がテーマにもあって考えさせられました。
時は戦後でオシャレな格好でオシャレなお店でお見合いしているけれど、相手の男性の左肩に機銃操で撃たれた傷が生々しく「戦争」を残している。

その他感想。

マリーはエミリーのことを本当は助けようとしたんじゃないのだろうか。
けれど、エミリーから男との幸せな生活を聞かされ、友情を自己欲が上回ったのかなと。
エミリーは愛した男をマリーに奪われてしまったし、親友であるマリーには殺されそうになって…マリーは既にナイフを手放したけれど、もうこの世に未練は無いとばかりに身を投げる。

この雪道でのエミリー(木村多江)の横顔がとてつもなく儚く綺麗です。

主人公演ずる広末涼子さんも、最初は何も知らない初心な少女だったのに、事件を追う内に顔つきが変わっていき逞しくなっていくのが見もの。