聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-

良かったです。思っていたよりも良かった。
これはね、見なきゃいけない映画だと思う。

芸術的かどうかっていうと、そういう映画ではなくて、反戦メッセージを訴える映画。
感動を盛り上げるような演出も音楽もなくて、淡々と山本五十六の人生を描いていてとても好感が持てました。

あの頃の日本は、まだまだ江戸時代末期の戊辰戦争のことも引きずっている時代で、薩長の因縁が陸軍・海軍の仲の悪さにまで影響していたっていうのがすごいね。


戦争するということがどういうことなのか。
その責任は誰にあったのか。
戦争を推し進めたのは政治家や軍人だけの責任?

この映画では、メディアの責任、それに踊らされている民衆の滑稽さが出ていたと思った。
特にメディアの罪をちゃんと描いていたのが良かった。

新聞記者の真藤が「誰に負けたのか」という言葉が重い。
山本五十六の「目と耳と心で世界を見なければいけない」という言葉は現代でも通じると思う。

テレビ、新聞、書籍、ネット、ブログ、人の噂。

どれが本当で嘘なのか、見極めて信じるのは最後は私達の責任。

役者さんの感想としては、役所さんはあんまり好きな役者さんじゃないんですが、今回の演技は凄くよかった。
玉木宏さんもドラマ「砂の器」があまりにも酷かったけど、今回は昭和の時代に合ってました。
戦争の世から、その後の未来に生きる人間としての存在感が出ていたと思います。


映画館はご年配の方が多かったです。「ミッドウェー海戦」の時は客席から「おお〜」という声が。


真珠湾攻撃の裏にあった出来事を色々と知れて勉強になりました。