映画感想

「バースデー・ワンダーランド」を観に行きました。

アニメ映画です。

内容はまあまあでした。

 

何か、こう、勿体無いっていうか…。

面白くないとも言い切れない映画です。

 

絵は綺麗だし動画もムラが無くて見やすい。

絵柄も独特で面白い部分はある。

 

異世界で暴れる謎の二人組が、実は王子と魔法使いだったという設定はおもしろいと思いました。

雨を呼ぶ「しずくきり」を行うことにプレッシャーを感じた王子が心を病んだ、という流れでは、それぐらいのことで…と思ってしまいましたが失敗したら命を捧げるという設定が最後に分かって、そりゃ城から逃げ出したくもなるなぁと思いました。

 

主人公のアカネは、そんな王子を助けるために異世界に強引に連れて行かれて、ちょっとだけ成長する、というお話なんですが。

 

・まずアカネが小学生に見えない。ランドセルのシーンも出てきますが、見た目が中学生くらい。対する王子はまだ子供らしさが見えるので、アカネもベタに子供っぽいキャラデザインにすれば良かったのではと思います。

・朝食にトースト二枚に卵二つ使ったスクランブルエッグってボリューム有り過ぎじゃない?美味しそうでしたけど。

ヒポクラテスという実在の人物が出てくるんですが、そこに対して何のツッコミもない。錬金術師なのか魔法使いなのか、ちょっと曖昧。

凄い人、という設定なんですがお話の中でほぼ運転手になってしまっていたのが残念。チィちゃんとの絡みは面白いし、後半はハエにされて3枚目キャラになっていましたが。そういうキャラは弟子に任せて、耳をすませばのバロンのように、キリッとしたキャラを貫き通した方がよかったのではと思います。

ヒポクラテスの弟子が妖精みたいな子なんですが、礼儀正しい真面目な弟子で、異世界の設定を喋る役割を担っているんですが、これといった特徴が無い。例えば何かが物凄い好きとか苦手とか、そういうものがあればよかったのに。

異世界のファンタジー感が薄い。巨大な鳥や羊や金魚が出てきたり、不思議な水をかぶると水の中でも息が出来るとかそういう設定はあるんですが、弱いなぁっていう印象です。

しずくきりの儀式で、水を切ると鳥になって全国に広がっていくシーンはとても良かったです。

・現実と異世界は鏡合わせ、というようにしたほうがまだ良かったのではと思います。飼い猫が異世界に出てきたように、朝食で食べたトーストのでっかいオブジェを出すとか、友達同士の諍いの原因になったヘアピンを登場させるとか、そのヘアピンを関所の猫が付けているとか。そういうリンクがあればなぁって思いました。唐突に猫だけがリンクするのが違和感。

 

・おそらくアカネの母親が先代の緑の風の女神だったんだろうなと思いました。異世界から現代に戻ってからのシーンは好きです。今まで当たり前に見ていた景色が違って見える。母親も、何があったか聞かずに娘を受け止める。