THE FIRST SLAM DUNK観てきました。
ううーん、まあまあ…よかった…です、って感じです。
ラストが、ラストそこかい!っていう。
ネタバレ感想です。
主人公は宮城リョータ。
リョータの生い立ち、湘北に入るまでの諸事情。家族関係。それがメインで、山王戦の中で過去を振り返っていくって感じでした。
絵柄:のっぺり3D動画の予告が出たときは嘘だろと思いましたが、本編では大分マシでした。ただ、3Dっぽいのと2Dに近い3Dが入り混じっていた印象です。一部では、これは2D?っていうところも。試合シーンはほぼ3D色が強かったです。
だからゲームキャラが動いている風で生気を感じられないところもあるんですが、試合の盛り上がりと共にそこは違和感が少なくなっていきました。
観客も、結構動きがあったんでそこも違和感なかったです。
っていうか応援席の晴子や水戸、ミッチー軍団たちの方が表情も動きも豊かでよかったです。
試合シーンは、よかったですよ。特に終盤。あの勢いのある感じは3Dだからこそなのかなと思いました。
話:が、その肝心の盛り上がるところでリョータの過去が挟まってくる。それも結構シリアスな。母親がちゃんとリョータと話し合えればそれでよかったのではと思ったんですけどね。
兄ではなくて自分が生きていてすみませんって思っていたなんでものすごい重い過去背負って湘北でプレーしていたかと思うと今後スラダンを読み返すときにはうわーってなります。
そこまで過去を描くなら安西先生との出会いとか、彩子のことも描けばいいのにそこはないです。いつの間に、何故か弱小の湘北に入部しているし彩子とも仲がよい。
良かったエピソードとしては、三井とリョータの過去がちゃんと描かれていたこと。
あとほんの少しですが流川との交流も。
思えば湘北って、普段からみんなとコミュニケーション取っているのって実は花道で、あとは赤木がキャプテンとしてしっかりまとめているわけで。他のメンバーはそこまで喋ってないんですよね。
チームワークがそんなに良くないけど勝つためにそれぞれが職人的仕事をしているから結果的にチームワークがいいという、そういう仲良しチームじゃないし先輩後輩関係もちゃんとあるのが湘北の魅力だなと改めて思いました。
悪かったというか、歪に感じてしまったのが桜木の描き方です。
今回の映画は主人公がリョータ。それはいいんですが、原作の主人公は桜木だから山王戦の後半は桜木メインのエピソードが多いんですよね。途中出場のテーブルでの出来事とかリバウンドで河田に認められるとか怪我とか。
でも映画はあくまでリョータを中心に描かれるんで、桜木に視点が行ったかと思えばリョータの暗い過去が出てくる。盛り上がってる山王戦もそこでトーンダウンする。
そこが消化不良でした。
まあ流川と桜木の勝利のタッチを観るだけでもこの映画の価値はあると思いますが。
むしろそこ無かったから価値はなし。
で、そこまでよかったんですが、またリョータと母親とのしんみりしたシーンになり、何故か数年後リョータは海外チームに。
沢北が行くのはわかるんですよ。
リョータが海外?そんなことリョータは望んでたっけ?流川が行くなら分かるんです。あと、リョータはその後湘北のキャプテンになるんだから、そこで頑張って、もう一方で沢北は海外で挑戦しているっていう方が個人的にはよかったなぁって思いました。
すごい悪い映画でもないし、漫画家が作りたかったアニメっていうのはひしひし伝わって来るし、原作の絵や雰囲気を生かしたアニメですごくいいんですが、若手の頃に描いたスラダンを無理やり大人の作品にしている感もあって、過去は変えられないんだぜと作者に言いたくなる気も。
山王戦のエピソードがちょこちょこ切られているのはまあいいとしても、せめて回想シーンをあんなに挟むのだけはやめて欲しかったなって思います。
声:違和感あったのは桜木、河田、安西先生です。流川は、最初低すぎやしないかと思ったんですが、慣れました。逆に河田は軽すぎる。別に声優さんが下手とかそういうんじゃなくてそんなレベルじゃないし、桜木の声の木村さんも十分上手いんですが、個人的には桜木の声から桜木の生き様が全然感じられなくて、ただ頑張って桜木の声にしているようにしか聴こえなかったです。
そういう意味では三井や赤木は、ちゃんと声から昔を感じるんですよね。小暮もよかったし。
桜木は、不良で素人でバカなところもあって純粋で晴子さん大好きで、そういう色んな要素が入っていて結構難しいキャラだと思うんですが、テレビアニメではどちらかというと純粋バカな声で、それはそれで振り切っているからいいと思うんです。
映画の桜木はちょっとかっこよすぎたなって感じです。