映画「君たちはどう生きるか」

ジブリって解散していなかったっけ?という疑問はありつつも何年ぶりかのジブリ映画、というか宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」を観に行ってきました。

同名小説がありますが、あくまでインスパイアされたものであって(主人公の少年の家が裕福ということ以外は共通点ないと思う)内容はオリジナル。風立ちぬのときもそうだったけど、他人の作品のタイトル使うのどうなの?という批判は自分の中にはありますが(コクリコ坂も原作漫画とだいぶ違うし)。

 

内容は、観に行った映画オタクさんたちの考察動画のタイトルだけ観ると評判は良くなかったので覚悟はしていましたが、自分としてはものすごくよかったです。

 

戦時中の話を描いた作品ですが中盤からは異世界物語に入っていきます。死の世界だとそこには生がある。その世界観が自分の好きなものだったのでめちゃくちゃよかった。

序盤は結構暗いですが絵がジブリだから可愛いし綺麗だしキャラクターがそこまで落ち込んでるわけじゃないのでよかったです。

 

二人目の母親が決して嫌いではないけど好きにはまだなれない。本当の母親の死を完全には受け入れていない。眞人の複雑な心情が伝わってきました。

宮崎監督自身、航空会社の息子として生まれており、戦時中は宇都宮に疎開していたそうです。この辺は映画との共通点ですね(一人っ子ということと母親がいること以外は。71歳まで生きたものの、幼少期には結核で入退院を繰り返したりおんぶするなどできなかったこがあったみたいで。ナウシカ制作ぐらいで無くなったので、ラピュタ以降は母親不在の描写が多いのでしょうか)。

風立ちぬでもそうだったけど、裕福な暮らしをしていたからなのかそういう高貴な人の振る舞いとか調度品とか描くのが上手だなと感じます。

大抵の監督さんの作品って、一般人を描くのは上手いけど、お金持ちを描くのって少ない気がするので。

 

お話の内容は中盤からファンタジー要素が強くなり、思っていた以上のアクションがあり冒険活劇がありですごくよかったです。

まさか宮崎作品でまたこんなものが見られるなんて。これだけで観に行った甲斐があります。

 

7人のおばあさんのところは白雪姫かなと思いました。

あとは、今までの宮崎監督作品のテイスト全部ぶちこんだような世界観。植物、異世界の生物、死と生、食べ物、母親と少女、友情と子供の成長、親の存在。

鳥がたくさん出てくる映画ですが、糞をしっかり描いているのがリアリティあるなと思います。感動の場面でもちゃんと描いてる。鳥って飛び立つ時に体を軽くするために糞をすると聞いたことがあります。だから綺麗に飛び立つだけじゃないんですよね。そこがいいなと。

 

声優さんには驚きました。木村拓也さん以外は全然分からない。菅田将暉さんはアオサギ役だったみたいですが、天才だと思います。滝沢カレンさんのおばあさん役と、もう中学生さんの紙芝居屋さんは全然分からなかったのでまた見に行こうと思います。