映画「身代わり忠臣蔵」

映画「身代わり忠臣蔵」を観てきました。

吉良の弟が本当にいたのかとか、息子や妻達が全く出てこないところの違和感を除けば面白かったです。

吉良側視点で描かれる部分が多くておもしろかった。仇討ちにいつか来ると分かっていて準備を進めているところ。

一方の大石内蔵助たちも、お家再興を願って、最後まで粘り強く嘆願書を送ったけどやはり無理で、であれば士官できない家臣達のためにも命より義を通さないとならないから仇討ちを目指すところで、大石の苦悩が、きちんと描かれててよかった。

 

なので、吉良の身代わりのシーンはギャグが多いですが、それ以外はいわゆる王道の忠臣蔵の進行の仕方なのでシリアスに描かれていて。何でもポップに描いているわけではないのがよかったです。

 

身代わりになっているとはいえ、吉良の首をどうするのか問題とか、これだけ仲良くなった大石たちの最期をどう描くのかも、ちゃんとしてましたし。

結局史実通り大石たちは亡くなってしまったけど罪人として斬首されたのではなく武士の誇りをもって切腹という形(この頃には腹を切るふりをして、介錯のみだったようです)になったことで、命は失ってしまったけど魂は救われたし、とはいえ死んでしまったことに涙してくれる人もいるという良い終わり方だったと思います。

 

あと気になったのは着物の衣紋の抜き方と帯。この頃はまだ衣紋は抜いてなかったのではというのと、文庫結びしか出てこなかったのがなぁって。

 

役者さんの演技は、太夫役以外は全員よかったです。ムロさんと瑛太さんのシーンは流石上手いので、佇まいだけで観ていられる。