「運び屋」を観に行ってきました。
クリントイーストウッド監督・主演作品。
自分は映画を観る時に主演や監督云々を理由に選ぶことは少ないんですが(単に知らないだけ。特に洋画は超有名な方々くらいしか見分けがつかない)、硫黄島からの手紙をキッカケにクリントイーストウッド監督であれば…と映画を観ることががあります。
「運び屋」。良かったです。くすっと笑えるところが結構ありました。
ネタバレありの感想です。
演じた本人が88歳らしいのですが。主人公は90歳の元軍人アール。朝鮮戦争後は花農場を営むも家族をほっといて仕事や友人たちの付き合いを最優先に生きてきて、90歳になった時には世間のネット販売の波に追われて農場は差し押さえに。
今までないがしろにしてきた家族からは(孫以外)邪険にされ、そんなときにある運転の仕事を依頼される。
報酬は驚く程高額。
友人たちのためにお金が必要になったら運転の仕事をする、みたいなバイト感覚で続けていたが、ある時自分が運んでいたものが大量の麻薬であることを気づく。
が、結局その後も仕事を続け…というお話。
時には仕事を依頼した麻薬カルテルに脅されながらも、元軍人だからか銃を突きつけられても落ち着いていて、運転中も勝手に寄り道して食事したり人助けしたり。
そんなだから、麻薬カルテルを追っている警察もアールを捕まえられない。
ラジオから流れる曲に合わせて呑気に歌いながら麻薬を運ぶ。
そんな姿がなんだか可愛かったです。
飄々と生きていて、でも、自分の家族とのことになると影が差す。
最後の方では、今まで大事にしてこなかった家族との時間を大切にし、そして「金で何でも買えたが時間は買えなかった」と悔やむアールの姿にじーんと来ました。
気になったのは女性のお尻がアップになるシーンが多かったこと。監督の趣味?
ベッドシーンも、あれって必要だったのかな。
最初はアールのことを嫌っていた組織員たちが、だんだんアールと仲良くなっているのが微笑ましかったです。
花で始まり、花で終わった映画でした。
この映画の空気感がとても好きです。
さらっとしていて。何でしょうね。削ぎ落としてシャープにしているけど柔らかい空気感というか。
ちょっと無駄っぽいシーンもあって。
もう一回観ようかなと思う映画でした。