映画感想

「ベニスに死す」

午前10時の映画祭の枠であったので観に行きました。

1971年公開の映画だそうで、こういう映画を映画館のスクリーンで観られるのはいいですね。

 

タイトル名とあらすじだけは知っている映画でしたので「こういう映画だったのか」というのが正直な感想。

 

とにかくシンプル。どシンプルです。

 

仕事も上手くいかない、最愛の娘を亡くした(奥さんは家に残して来たのか?)、体調も良くない、そんな老音楽家が避暑地ベニスにやってくる(音楽家ということはお話の中盤くらいでやっと分かりました)。

でも道中あまり良いことが起きない。

そんなときホテルで美少年に出会う。

 

というのがあらすじで、じゃあその美少年とどうなるんだと思ったら、「喋らないのか!」っていう終わり方。

 

何度も何度も話しかけようとして話せず、ピアノとか疫病とか色々話すキッカケはあったのに、お互いに視線を交わすだけ。

 

主人公の男は、最期は避暑地の流行病(コレラ)に罹り、愛した少年の後ろ姿を見つめて死んでいく。

夕陽に映える姿は本当に美しかった。

最期に美しいものを見ることが出来て幸せだったのかな。

彼のために、髪を整えて黒くしてお粉を塗って、それが最期は崩れていく。

醜さと美しさの対比が綺麗でした。

 

映画の大半は主人公の葛藤、苦しみを音楽で表現していて、セリフがものすごく少ない。

少し飽きる部分もありましたが、段々映画にのめり込むことが出来ました。