映画「ミッドサマー」観てきました。
ネタバレありの感想です。
良かったです。
見たあとにやりきれなさもありつつ爽快感がありました。
予告で見て気になっていた作品ですが、エログロだとか脳がトリップするとか、不安感が強い人や映画の内容にのめり込んでしまう人は向かない的なレビューが多かったので、がっつりネタバレ動画を見てから映画を観に行きました。
時計じかけのオレンジのときも、ネタバレ見たのに映画館で具合悪くなるという経験があったので、今回は座席は出口に近い方、とにかく明るいことを考えながら見る、という準備をしながら観ました。
結果的には「これは自分は大丈夫なやつだ」でした。
音楽も映像も。
ケルト・・・の音楽なのかな。すごく心地よくて。仏教とか、アジアの、そっち系の音楽に似てるかもしれない。
映像はすごく綺麗。
何てことないシーンでも構図が美しい。
キューブリック監督にちょっと似てる。
不安を感じるシーンもあったんですが、ダニーもまた不安を感じていて、そのダニーの呼吸のリズムが自分とばっちり合ってたんです。不安で呼吸が早くなる感じ、具合が悪くなる感じ。だから序盤で苦しくなってもダニーの呼吸を合わせることで乗り切れました。
あとは、スプラッタなシーンが来そうなところは事前予習していたので、そのシーンが来そうになったら目を伏せる準備をしてみました。それでも思ったよりはよかったな。綺麗な映像でした。
痛くて悲鳴を上げるとかそういうのがなかったんで、見やすかったです。
自分の中でも、輪廻の儀式であること、ホルガ村の人たちの考えも一理あるし受け入れ易かったです。
植物やお花が動くシーンは気持ち悪いというより可愛かった。
多分、アニメでよくあるシーンかなって。トトロとかもののけ姫とか。だからお花が動いていても特に違和感なかったです。
生き物は自然に還り、また生まれてくる。
他人には何てことない朽ちた木も、先祖の灰が撒かれてきた大木であると思えば神聖にも思える(でもだったらもうちょっと周りを囲うとかすればよいのでは)。
基本的には、「次はこういうことが起きますよ~」ってことを台詞であったり、イラスト(建物に描かれている壁画、ホルガ村のタオルなどの絵)で教えてくれるので「こうなったら嫌だなあ」っていうのが、ダニー以外は全員回避不可能なので、覚悟して見れます。
あ、途中で出てきた馬車。すっごく可愛かった。あれ乗ってみたい。
人が死ぬときも、ダニーが悲しむときも、みんな一緒に悲しむ。共感する。
自分としてはそれがすごく沁みました。自分の悲しみを共感してくれるって救われるだろうなと。
ダニーは他人に依存しすぎているし、ちょっとしたことで恋人のクリスチャンにつっかかってしまうけど、なるべく感情を抑えているんですよね。面倒くさい女だと思われているのが分かっていて。妹と両親が死んだ時だけかな、ちゃんと泣いたのは。
だから、村の人たちが一緒に泣いてくれたことに救いがあったんじゃないかと。
面白かったのはモザイクシーン。
儀式的な性交シーンで、後半でモザイク。しかも雑。ぼやかすにしてももう少しこうやり方があったんじゃ・・・。そしてR-15でも、動いてないで立っているだけの場合は男女ともに性器まるだしでもいいんだ。という新たな発見がありました。割と衝撃です。
ここと、唐辛子のシーンは笑えます。
グロい部分は、「血の鷲」の部分。映画内でこの名前は出てこないけど、調べてみたら中世の処刑法でこういうのものがあったらしいっていうのが出てきました。手の込んだ処刑法です。羊たちの沈黙の警察官の処刑のされ方をちょっと彷彿とさせました。
ラストの9人の生贄シーン。
クリスチャンはそこまで悪いことしていないので少し可哀想ですけど。論文の件に関してはクズだと思いましたが。
カルト集団といえばそうだし、村の風習といえばまあそういう文化もあるよねとは思うけど、コニーに関しては流石に巻き込まれ死だよねと思ったり。
ダニーはクリスチャンと離別して幸せにはなれたとは思います。でも今後また辛いことがあったときに乗り越えられるのかな。その後のダニーが気になりました。