医療従事者と一般の人とのズレ

ここで言う医療従事者は、かなり狭義の意味で医師やNsやリハ、介護士を指します。

 

病院で働いているといろんなことが麻痺していきます。

トイレと廊下の間がカーテンだけで仕切られていて、外からすぐに見れる状態。

患者さんが排泄中でも中を覗いて話しかけてくる職員。

一日の尿の回数・便の回数をほかの人にも聴こえる声の大きさで確認してくる。

挨拶もしないで患者さんの部屋に入ってくる職員。

朝から車いすに座りっぱなしでも「夜寝られなくなると困るから」とそのまま放置しておく看護師。それを見兼ねてベッドへ連れて行ってくれる介護士

37度以上の熱があっても、ベッドから起こしてリハビリする理学療法士作業療法士

ベッドから車いすに患者さんを移すときに力任せに移乗する看護師。

そのそも移乗技術を勉強していないので中等度介助以上の患者さんを一人で移せない言語聴覚士

自分たちよりも何十歳も上の高齢の人を「かわいい」「私の癒し」と言って、マスコットのように扱う。

ようやく喋れるようになり、でも意識障害がある患者さんに、どーでもいい言葉を言わせたり覚えさせたりして、患者さんで遊ぶ。

 

 

こういうことが日常茶飯事です。

 

特に排泄のことと、最後の2行が、すごく嫌です。

トイレがカーテンで仕切られているのは、車いすで出入りがしやすいことや、認知機能が低下している人がトイレに入って転ばないように見守りがしやすいため、という意味で必要悪ではあると思います。

でも最後に書いたこと。

これは看護師長もリハ職員も介護士もやりがちです。

確かに、みんなで楽しく言葉を覚える・話す練習という意味ではいいかもしれないけど、度が過ぎると「え?」って思う。

この状況を患者さんの旦那さんや奥さんや子供達が見たらどう思うんだろう?

 

ぞっとします。

 

「おかしいよ」と言えない自分も嫌。

 

病院に入院すると「人間」というよりは「患者」という新しい種族になる。そんなイメージです。

最初は「人間」として入ってきたのに、徐々に「患者」になる。

しっかり自分というものを持っている患者さんは「〇〇さん」という一人にとして確立していますが、認知機能が低下している人は「介護されやすいように調教された人」になっていくように思います。

 

本人がいない時でも床頭台の中は見られるし、仕事も趣味も家族構成や経済面も全部病院は把握しています。それは必要なことだし退院支援として重要な情報なんだけど、自分が逆の立場に立った場合を考えると、絶対に気を付けようと思います。