実写版xxxHOLiC

>shinruさん

スターをたくさんつけてくださってありがとうございます。

 

実写版xxxHOLiCを観に行きました。アニメは大分前にオリジナルストーリーで映画になっていました。

 

蜷川実花さんが監督とのことで期待せずに観に行きました。この監督さんは所謂一枚絵として映像を撮るのは綺麗ですがストーリーとなると場面場面が細切れなのと、花を他用するんですが造花が多いのと、部屋の内装作りが下手なんですよね。なんというか汚しが足りないというか。アンティークっぽいものを並べて暗くして誤魔化してるだけ。

 

それを踏まえて観た感想としては、思っていたよりも良かったです。

原作の女郎蜘蛛の回と、ひまわりちゃんの境遇の話、そして侑子さんとの別れ、その3つを混ぜて再構築しています。

結構うまく混ぜたなっていう印象です。ひまわりちゃんの生まれ持った宿命を描くのは絶対必要だし、あやかしを解決して終わりよりも侑子さんと別れ四月一日が店を継ぐというラストの方がお話として綺麗にまとまるし。であれば終始シリアスでも違和感がない。

 

原作に比べて四月一日は暗いです。百目鬼に対する喧嘩腰もないですし百目鬼四月一日を阿呆扱いしない。でもこの映画の話の流れで行くとそっちのほうが自然だったので、そこの改変はよかったなと思います。

 

女郎蜘蛛が無駄にエロいですが、原作でもあんな感じで四月一日に絡んでるし「戻」では血も舐めてるから実写になると生々しくなるんですね。

 

ダイジェストで流れていた座敷童子猫娘がもったいなかったです。

 

ひまわりちゃんの呪いを受けて四月一日が吹き抜けから落下するシーン。あそこは切なくも悲しくて良いシーンでした。

結局どうしようもなくて助けられない。

原作でもそうでしたが侑子さんは願いを叶えられるけど対価が必要だからその人が願わなければ怪我も治さないし四月一日のことも隔離はして休ませるけど大事な部分は本人に選ばせる。だから寺で四月一日が怪我をしたときに助けにはくるけどすぐに怪我を治しはしない。そこの演出がよかったです。ラストも侑子さんがキッカケは作ったけど解決したのは四月一日百目鬼というところ。

 

この映画の解釈でいくと侑子さん=四月一日の母親の霊が少し絡んでる?とも見えました。

 

4月1日を永遠にループするのは原作にはないですけど、あの世界観は好きです。ループものは今までも色んな作品で使われているし。座敷童子をメインに出さない分、四月一日が女郎蜘蛛に立ち向かっていくことや自己犠牲の美徳から抜け出す理由としては、ループの生活の中であやかしを視る自分の体質に対して向き合う脚本が良かったなと思いました。

 

主題歌はセカイノオワリ。個人的にはセカイノオワリは映画の内容にあった曲を書くのが上手なイメージがあって、今回もよかったです。