映画「怪物の木こり」感想

映画「怪物の木こり」観ました。

原作は小説だそうです。

 

内容はまあまあです。

 

ラストの、彰とたかしの対決が冗長でそこがだめでした。勿論あそこでの会話が最後の最後に生きてくるんですけど、それでもあそこの会話はさらっとしてほしかった。

あとはナースコールの位置。これは他の作品でも思うんですけど、ナースコールの位置、あそこじゃ押しにくいだろうよ。コード解いて枕元か手元に置かないと。っていうのが毎回気になります。床頭台が古いなぁとか。

 

その他は良かったです。予告ではサイコパス対連続殺人鬼で、それはそうなんですけど、それよりも殺人の目的は何なのかとか、犯人は誰なのかとか、主人公はどうして人を躊躇無く殺せるのかとか、そこが話の重要ポイントでした。

 

亀梨さんの演技って、自分は妖怪人間ベムでした観たことないんですよね、記憶が正しければ。だから人間役は初めて見たんですけど、すごく繊細なお芝居していて、今回の主人公はサイコパスから普通に人間になっていくその心の揺れや違和感を途中から感じ始めるんですがそこがすごく上手でした。

この「悩む演技」ってめちゃくちゃ難しいんですよ。わざとらしく見えてもだめだし、かといって演技しないと伝わらないし。そのさじ加減がよかった。

捜査側の菜々緒さんの演技もよかったです。ぼさぼさ髪で、頭が良くて行動力がある女性。かっこよかったです。

サイコパス仲間の染谷さんもよかったな。殺人シーンで淡々と雨合羽着てるシーンがよかったのと、最後に猫を持って行く様子もよかったです。

 

こういう連続殺人鬼ものに、言ったらまあおしまいっちゃあおしまいなんですけど、ああいう怪物のマスクを誰がどう作ってとか、それ作る意味ある?犯人バレちゃうんじゃないの?というのは冷めるポイントですね。だって視界悪いじゃない。息苦しいし。普通のマスクでいいじゃない。もしかしたらたかしは、バレて欲しくてわざわざ絵本のキャラクターに扮してたのかもしれませんが。

 

犯人の正体は最後まで分からなくて、ミスリード上手かったなぁって思います。

サスペンスものとして楽しかった。

 

ラストは、婚約者の無念を晴らしてあげたという優しさとして解釈するべきなのか、正当防衛だと嘘をつかせることで殺人の罪を背負わないことに更に罪悪感をもつかサイコパス気質にさせる思惑があったのか、どっちかなぁって思いました。

だって主人公が自白すれば裁判で勝てる可能性高いんだから、私的復讐ではなく、法で裁く方法だってあったのに。それを婚約者が選ばなかったことが気になりました。