岡野玲子さん作「陰陽師」

夢枕獏原作、岡野玲子著「陰陽師」13巻。

改めて読むと、12巻と13巻は未読だったことに気づきました。

11巻まで読んだ時点で、新刊が出ていることに気づかずに脳内ではどこかで最終回を読んだ気でいたのかもしれません。

ただ、改めて読んでも10巻以降のお話は難解。陰陽道と中国の神話とエジプトと晴明や真葛の心理描写が織り交ざり重なっていき、遂には博雅もそっちの世界に足つっこんでいるので、兼家や保憲が出てくると現実にちょっと戻ってくるのでホッとするところがあります。

これだけの知識量。そして緻密な絵。このトーン、どうやって作ってるの?という美しい色。連載漫画でよく描けたなと驚嘆します。

 

晴明の子煩悩さ、晴明に子供が産まれたことをものすごく喜ぶ博雅、その辺りが可愛かったです。

あんなに可愛がってたのに「玉手匣」ではぞんざいな扱いされているけど。

名前をつけるまでは「ちいさい人」と晴明も真葛も呼んでいるのが彼ららしいなと思います。

漫画を読んでから原作の陰陽師を読むと、そのギャップの激しさにくらっとくることがあります。一旦漫画の映像を消してから読まないと。特に保憲の扱いが。

岡野解釈の保憲の方が好きなので、小説の方を読んでいると妙な感じがあります。原作はこっちなんだけども。

 

あとは岡野さんの初期(6巻辺りまでの)の絵柄で原作の「生成り姫」を読んでみたかった。

 

 

玉手匣の方は全巻集めようか悩みましたが、あとがきをちゃんと読んだら玉手匣を描くキッカケは原案者となる夢枕獏さんその人だったので、玉手匣も集めようかと思っています。