外出自粛が解かれ、県境をまたぐこともOKになり、大分緩んでいる世間ですが、職場はほぼ変わりなく動いています。
患者さんの中には、最長で3~4ヶ月は一歩も病院から出たこともなく、陽の光も風も感じたこともなく、家族と直接会ったこともありません。
テレビ電話で顔は見れますが、時間制限があるのでゆっくりは話せません。
職場としては患者さんを外部の人と接触させることはよっぽどのない限りは禁忌としています。
介護保険の認定調査が来ても、ガラス越しに患者さんの様子を見てもらうようにしています。
それもこれも、世間の感染症の人数が減らないから。
山梨は単発的に感染者が出ています。ここ1週間くらいは新規ゼロでしたが、昨日は二人判明しました。
マスクをせずに話をする学生たち、食堂で友達同士向かい合って喋る人たち、家族で集まって食事する人たち、そういう人たちが絶えないので(車窓から見える)そりゃ感染者数が止まる訳が無いな、と思います。
桜が散って、菖蒲が咲いて夏になって紫陽花が咲いて梅雨が来て、窓の隙間から外を見るしかない患者さんの様子を見ていると、切なくなります。
今の状況だと、新型コロナが原因じゃなくても、骨折とか脳出血とか新型コロナ以外の肺炎とか、そういう他の病気で入院しても、退院するまでは基本的には外に出られないし家族とも直接会えません。
完全遮断しているので衛生上はこの職場はかなり安全ですが、要塞みたいだなと思います。
ワクチンが無い今は、この感染状況が改善したとは言えないので、うちの病院の考え方としては完全に解決するまでは2~3年掛かる見込みでいます。
落ち着くまで、とよくいいますが、そう簡単に落ち着くことはありません。
季節性インフルエンザのように、当たり前のこととして捉えて”諦める”かしない限りは(インフルはワクチンがあるけど接種しない人もいるのでワクチンできたからと言って完全解決はしないでしょうが)、数年はこの状況が続きそうです。