高齢者支援について

未成年者、20代~60代までの障害者支援ってとても少ない。

介護保険は、制度的に年々お金が厳しくなっていて、以前なら要介護3が出ていた人が1になったりということが不思議ではなくなっている時代になっていて、今では要支援ではなくて要介護が1でもいいから出れば安心、2が出たら万歳!っていうテンションです。うちの職場では。

それでも高齢者には介護保険制度があるから、生活支援は何とか成り立つ。

身体障害者手帳、精神保健福祉手帳でのサービスもあるにはあるけど、個人的には介護保険制度は使える支援の幅が広くて、これって全年齢に対してあったらいいなと思うことがあります。

 

仕事していて、20代の方の支援をすることもあれば、90代の方の支援をすることもあります。

文字面だけ見てると、老い先短い高齢者にリハビリやお金を掛けるくらいなら、若年層への支援を手厚くした方がいいんじゃないか。大昔の姥捨て習慣は、ありっちゃありだったのかもしれない、とか考えてしまうことはあります。

でも実際に目の前の患者さんと対峙すると、そんな考えは吹き飛んでしまう。

合併症がいくつもあったりガンもあったりと、あと何年生きられるかわからないけれども。でも、戦争を乗り越えて、災害を乗り越えて、戦中・戦後・高度経済期に必死に働いて子供や孫を育てあげて、さあ晩年はゆっくり過ごそうと思った矢先に骨折したり脳梗塞脳出血になる患者さんが多いです。骨折は何となく理解できてても、脳梗塞になった人は発症時の記憶が曖昧ですし症状が複雑過ぎて本人も家族も症状を理解するのが困難なケースがあります(家族も60代、70代と高齢なので)。

思わぬ怪我や病気が原因で、終焉を雑に扱われて最期を迎えるのは惨すぎる。そう感じます。

生きてきてよかった、お荷物にならないですんだ、という思いで人生のラストを生き抜いて欲しい。

立位とか歩行って、筋力も大事ですが、どっちかというとボディバランスの感覚や力の使い方が大事なので、栄養と睡眠と適度な運動があれば結構回復します。勿論、廃用がひどく進んでる人や肺炎を繰り返す人、手術後の疼痛が全然改善しない人は回復が難しいけど。

でも90代でも、自分で起きられなかった人が起きられたり、歩けなかった人が歩けたりすることがあります。

高齢の患者さんの中には、家族のお荷物になっているとか早くお迎えが来て欲しいとか願う人は少なくはない。それは否定しないけど、せめて入院生活が楽しいものであってほしいと思います。