映画「時計じかけのオレンジ」を観に行きました。
公開は1971年。原作は小説ですが、ラストが小説とは異なるとのこと(最終章の一歩あ前までは同じ)。
タイトルは聴いたことがあるけど内容は知らず。調べたらどうも嫌な内容らしい。
覚悟を決めて観に行きましたが開始数分で吐き気が。
暴力表現が酷いっていう訳ではないです。それを言ったら「アウトレイジ」の方がよほど酷い。女性への暴行シーンも「怒り」の方が酷い。
ただ映像に漂う不快で意味が分らない不安な雰囲気がすごくって席を立って、邪魔にならないところで立って観てました(映画館職員の許可は得ました)。
終盤は落ち着いてきたので席に戻って鑑賞。
あらすじ全部読んでから観に行ったけど、途中脱落しそうになりました。
面白いか面白くないかでいえば面白い。暴力も暴行もスタイリッシュに魅せてしまうそのセンス。画面の構図、音楽。どれでも素敵でした。
だからこそ、当時この映画を観た人たちは暴力を肯定している、エンターテイメントにしていると批判したのも解る気がします。
亡くなった人が出てくるのにその実体が無い。暴行シーンもうまくぼかしている。
だからアレックス達がしたことの酷さが伝わりにくいかなとも思いました。
刑務所での「更生実験」。これは役者さん凄いと思いました。
よくあれやったね、と。映画だって分かっていても辛いです。
アレックスが出所してからは映画の雰囲気が少し変わって、今までは近未来の独特な雰囲気だったのが、まるで現代そのものに戻ったようでした。
最初から最後まで気味の悪い映画ですが、高齢化問題、罪人の更生・贖罪についてとか、現代でも問題になっていることが割とわかりやすく描かれていて。
アレックスの姿を見ながら色々考えさせられました。